有料老人ホームに入っている母。
コロナで会えなくなって、口がきけなくなってしまいました。
何を聞いても頷くこともしなくなっていました。
エンジョイのスタッフの中に失語症者向け意思疎通支援の資格をもった人がいるので、相談すると、何でも話してもらう事が第一歩とアドバイスを受け、個人回想法を週1回5月から始めています。
今日はエンジョイでも話してもらった「バナナ」で回想法。
子どものころ食べた?と聞くと「高級だから」とぽつり。
沈黙が続いて(これは回想法では思い出している時間なのでじっと待つ)
突然「朝起きると裏の縁側に小さいイチゴがいっぱい置いてあって、へたをとってコップに入れておさじでギュギュっとつぶして食べた」と話してくれました。
「お母さんがイチゴを朝摘んで木の箱に並べて、黄色いひもで縛って、頭より高く積んで背負って市場に売りに行った 小さいイチゴはその残り」「品種はフクバっていうの」
家で作っていたイチゴの話をゆっくりゆっくり沢山話してくれました。
後で調べたらフクバイチゴは日本初のイチゴの品種、明治時代に出来た皇室御用達だったこともある古いイチゴの品種でした
帰りにはまた来ますねというと、「忙しいのに有難う。待ってます」と言ってくれました。
気持ちを口にできるようになってきました。 回想法に助けられています。
7月には2回、回想法の基礎講座があります。ご家族との話のきっかけにも役立てると感じています。ご興味のある方は是非受講してください。